6月17日は総本山62世日恭上人様のご命日でありました。
日恭上人様といえば、創価学会などによって、よく誹謗するのを聞いたことがありますが、そのようなことは大きな間違いであるということを思うものです。
下記は、日恭上人様50回忌の時の67世日顕上人様のお言葉です。


御法主日顕上人猊下お言葉
総本山第六十二世日恭上人第五十回遠忌法要の砌
平成六年六月十七日
於総本山・大書院
 日恭上人の第五十回遠忌御法要を作日ならびに本日の両日にわたって奉修いたし、滞りなく御報恩申し上げることができました。藤本総監以下、多くの僧侶が出席をされ、また、信徒の立場より、連合会委員長・柳沢氏ほか、各寺院の代表の方々多数の御参詣をいただきまして、まことに盛大に日恭上人の御報恩ができましたことを、私もたいへん有り難く存ずる次第であります。
 日恭上人におかせられましても、寂光の御宝刹に在って我々の御報恩の志を快くお受けあそばされることと拝察申しし上げる次第であります。
「五十回忌」ということですから、満で四十九年前、数えでちょうど五十年前の本日、大石寺の火災があったわけであります。
 昨日も大橋慈譲師から、日恭上人のお人柄や当時のことについての話もあったかと思います。
[参照]『大日蓮「平成6年9月号 P80~』
 
 私はここに一言をもって申し上げるならば、日恭上人の御境界において、自我偈に説かれる「我此土安穏 天人常充満」の御境界をもって安祥として御遷化あそばされたことを。絶対の確信をもって申し上げる次第であります。
 七百年の宗門の歴史を顧みる時、常に僧侶が「一心欲見仏。不自借身命」の志をもって、大法を今日まで護持してきておることを感ずるのであります。それでなければ、この七百年という間、大聖人の大法がいささかの濁りもなく、正しく伝わったということのありうるはずがないのであります。
 身延はその草創において、日向の教唆による波木井の謗法により、三大秘法の本義は地に堕ちてしまいました。その他、勝劣派にせよ、一致派にせよ、さらにそこから派生した新興宗教等においてことごとく、その軌を一にしておるわけであります。
 それに対して、我が宗門のみが七百年の間、その時代その時代において、法を承けられた御法主を中心として僧俗が一致団結し、正しく法を護りぬいてこられたのであり、そこに深い有り難さを感じなければならないと思うのであります。
 顧みるに、昭和二十年という時期は実に一国大謗法の姿でありました。戦後、私が常泉寺の執事をしておりました時、常泉寺の総代で山口玉泉という人がおりました。この人は堀上人(五十九世の日享上人の)と懇意で、ある時、「日本はどうして戦争に敗れたのですか」と質問したところ、堀上人は「それは、この国が本宗を信心しなかったからじゃ」という意味の返事を、一言をもってされたということを聞いたことがありますが、まことにそのとおりと思います。
 思い起こせば、その時に焼けた書院を、国の命令によってやむをえず貸したのですが、その書院を領有した軍部の者どもの手によって「大麻(神札)」が祀られたということは、たしかにあったのです。結果的には、これは一国大謗法の与同罪でありましたけれども、また、大法を正しく護り伝えるための御先師の御苦心を思う時には、これが良いとか悪いとか、そう簡単に言いきれるものではないのであります。
 今日、創価学会の者どもがあらゆる悪口を宗門に対して述べているなかで、その時代のことについても、日恭上人が謗法だとか、時の宗務院は大法に背いていたというようなことを言っておりますけれども、結局、一知半解の者どもであります。すなわち、僧俗が本当に一つになって命懸けで法を護る姿勢、それによって今日までの七百年という長い間、正しく法が伝わってきておるということを考えなければならないと思うのであります。
 その上からも、日恭上人があの時代において、「一心欲見仏 不自惜身命」のお志をもって宗門を董され、大石寺をお護りくださっておる姿を尊く拝するとともに、一国大謗法の意味における現証として、御自身もその責めを負われて、大石寺の大火とともに御最期をあそばされたと拝察いたします。ただし、たしかにそれは事実でありますけれども、先程も申し述べましたように、「我此土安穏 天人常充満」のお心をもって、安祥として御遷化あそばされたことを、私は確信する次第であります。
 ここに日恭上人の五十回遠忌を迎えたのでありますが、この平成六年はまた、僧俗が真に一致和合して、将来への広布の道を大きく開こうとする年であります。
 先段から申し上げておりますとおり、あの大謗法の創価学会が、内の謗法を隠して、外においては色々な形で宗門と関連し、結局は宗門を牛耳って自分達の思いどおりにしていこうという大それた野望を持っておりましたが、はしなくも、それを表してきたのが平成二年、すなわち総本山開創七百年とい年でありました。これもやはり不思議な時の表れと存ずる次第であります。
 さらにまた、広布大前進の基礎を固めるべき、平成六年が日恭上人の五十回遠忌の年に当たっておるということにも不思議な時を感ずる次第でありますが、本日ここに僧俗があい集って心から日恭上人の御報恩を申し上げさせていただき、その有り難さを深く感ずるとともに、また。日恭上人も深くお喜びあそばされておることと拝する次第であります
 我々はこの意義をもって、いよいよが一致団結し、本年度の目標に向かって精進していくことを仏祖三宝にお誓いいたしたいと存ずるのであります。
 皆様方の信行倍増を心からお祈りいたしまして、ひとことと本日の言葉とする次第であります。
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